お暑いことです五百羅漢
いまでも萱葺きの農家があるということで、20日の真夏日に見学に出かけた。自転車である。豊かな畑が広がっているかと思うと、人跡未踏(まさか)の昼なお暗き森がある。
尋ねあぐねて、慈本寺という曹洞宗のお寺に入った。こじんまりしているが、境内は明るく、東葛・印旛大師組合の第九番の札所がある。お大師様が座っていられる。
本堂の左右に分かれて、五百羅漢像が笑い、泣き、なだめ、法を説かれている。亡くなったお釈迦様の教えを広めようと、奉納された阿羅漢さんが不意の乱入者を眺めている。まだ新しい白一色。しかし、木漏れ日もなくいかにも暑い。
いっさいの煩悩を断滅して尊敬されるような境地に達したと言うから、暑熱も寒気も大丈夫という。だんだん増えてゆくのだろう。寄進者の名前と並んでいる。
親切な大黒さんが、外まで出てこられて道案内をしてくださった。
暑かったなあ。阿羅漢さんの境地は遠いけれど、帰りにもう一度寄って、心の中のテントをさっと広げてきた。