二人の長崎むすめ

  61年前の娘である。広島に続き、原爆が二人の娘の上に落ちた。縁あって柏市に来た。縁あって当市の市民が発行している「ウイメンズ・ライフ紙」のボランティア記者が体験を聞き、記事にした。
 以来、交際が続いている。柏和会(柏市原爆被爆者の会)の行事に、娘二人ともども参加している。いつも元気付けるよりも、反対に群馬生まれの記者は元気付けられている。姉と妹である。
 原爆のことの、語り部である。
 若いとき、長崎の平和公園に行った。もとより、被爆の現実が納得できたわけではない。年老いた二人娘に出会い、付き合い、それで長崎原爆は胸中に秘めた。封印した。二人を見ていることで、原爆は飛散し、消え去った。
 それでも毎年原爆記念日はやってくる。
 いろいろな行事もあって忙しそうである。
 ことしも無事で過ごせるように祈願している。

前の記事

天空の夜のかくれんぼ