これでもウチワなの?
そうです、団扇(ウチワ)に違いないようです。右のウチワのこと、涼しい風を送ることはなく、どだばたとするばかりのような気がする。
あと一本で千本だ、などと弁慶のようなことは言わないけれど、街を歩けば必ず二つや三つのティシュを貰うように、夏祭りの雑踏をさまよえば、ウチワも集まる。家人があきれて、また貰ってきたの?というが、集める意気はない。
ついに紙ウチワが出てきたのである。私は初めての遭遇である。
伝統的な竹を使ったウチワ(左)だった。それがあっという間にプラスチックの骨(中)になった。時世である。紙ウチワでも仕方がない、ほかになければ。ただ風の吹く音とともに、バタバタとささやく。文句を言うなと。裏面に11のスポンサー名が載っている。文字の大きさが三段階に分かれている。大学まで参加している。
月に柄をさしたらばよき団扇かな 宗鑑