ウルビーノのヴィーナスに一礼


  ルネサンス屈指の女神、500年の時を超えて日本初上陸と、国立西洋美術館がいう「ウルビーノのヴィーナス」を見た。ウルビーノ公爵の寝室を飾った画家ティツィアーノの名品。
  ヴィーナス神話を70点の絵画・彫刻などで紹介している。修学旅行の高校生がずいぶん入っていた。3章目が「横たわる裸婦」の図像。ウルビーノのヴィーナスは、119×165cm、ベッドに横たわって見る人を誘い込むような妖艶さと思っていたが、どうして意外におとなしい。観客の日本人を凝視しているものの、こんにちは、と素直に応対してきた。
  ウルビーノ公爵が寝室に飾るにしては性的な思惑は感じられない。神様ヴィーナスに、そこにいてもらえば何か安心するような気がする。絵葉書を買ってきて、しばし眺めるが色彩がちょっと違う。本物はもっと落ち着いていたよ。遠来の神様に一礼した。