紅にほふ桃の花(の満開)


   春の苑紅にほふ桃の花下照る道に出で立つ少女 家持
  ことしも枝垂れ桃が見事に咲いてくれた。農家の主人から電話が来た。それまで寒い日が続き、強風の荒れた天気に見舞われ、1キロもないのに出渋っていた。
  茅葺きだった母屋を改築したとき、その四分の一の茅葺きの離れを作った。それが背景となって桃の花が燦然と、あたりを圧する。
  手前には枯山水があり、真ん中で弁財天が見上げている。
  なかなか乙女の立ち姿は見られない。連絡しておいたから、そのうち老人クラブのおばさまたちが現れるはずである。

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碌々として老いる