さまざまのこと思い出す「ずいき」かな


   酢の利いた「ずいき」をいただいた。赤ずいきと言うのだろうか、原色は定かではない。
 郷土料理の一種だろうが、群馬の農村育ちだが、食べたことはない。近くの農家で、その話になったとき、芋がらを天日干しにしたのをもらってきたことがある。女房も食べたことはないというけれど、試作し試食した。あまりうまくなかった。残りをダムの建設現場で賄いのおばさんに食べさせてもらったと言う友人に上げて喜ばれた。
 写真のようにいただいたものは、すこぶる美味である。半分になったところで気がついて撮った。下さった人は隣県だが、娘時代に慣れ親しんだ郷土食だったらしい。俺にも郷土食があったのかなあ、と思うが気がつかない。ちょっとさびしい思いがした。雑貨屋をやっていておふくろは忙しかったんだよ。それで42歳で死んじゃった。

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