[⑨]出雲  神を拝み、仏に祈り  


  出雲大社に隣接したように、のびのびとして、広くて明るい島根県立古代出雲歴史博物館がある。平成19年に開館したばかりである。
 その入り口に、発掘された巨大な心柱の実物(写真)がガラスに覆われて鎮座している。00-01年にかけて大社境内から発掘されたもので、直径1.35メートルの杉材が3本組みになっている。この巨大柱9本の上に神殿が建たられていた。古事記で「底つ石根に宮柱ふとしり…」というところか。これから勘案して、館内に推定復元案による5案の模型が展示されている。
 標高48メートル、全長129メートルなどという。社伝によると、最古の社殿は96メートルだったとか。外に桂の並木道がある。引橋(階段)は1町(約109メートル)と言われていることから並木道を約110メートルにした。歩きながら古代大社を実感して欲しいと。並木道から大社よりに風土記の庭が広がる。それを囲むかのように神話の森が広がっている。紅葉なしの緑の森。白い雲が鮮明である。
 発掘された銅鐸と太刀の展示に驚く。ちょうど企画展の「出雲・石見の観音巡礼・秘仏への旅」が開催されていた。神様と仏様につきあい、旅人はだんだん疲れてきた。