[⑧]出雲 大国主か大黒さんか


   おおきなふくろを、かたにかけ、/だいこくさまが、きかかると、/ここにいなばの、しろうさぎ、/かわをむかれて、あかはだか。                   

 すでに兄弟の八十神たちにいじめられているオオクニヌシノミコトは袋を肩にかけた優しい大黒様になっている。オオクニヌシノミコトのお札もあれば、大黒さんの彫刻も並んでいる。これを「繁盛だいこくさま」という。 二合マスと三合マス(ますます五合=半升=繁盛)と言うかけことばで、「お宅の皆様が益々御繁栄になり、末永くお過ごしになりますよう大前で御祈念」してくださったという。             

 出雲大社は江戸中期には大黒さんの総本宮として知られるようになり、お隣り松江市の美保神社は恵比寿さんを祭るとして有名である。その二柱の神を描いた絵には、守るべき徳目があり、日ごろのの生活、家族や回りの人々を大切にする人にこそ福を授けてくれると言う。さもありなん、信心とはそういうもの。出雲に来て納得。