心躍らせる雪と蝋梅


 2月17日、雪が降った。友人のカメラ愛好家は、翌朝、胸躍らせて近所の観音寺に駆けつけた。一面の銀世界、盛りを過ぎたロウバイの花は、きれいに洗われ生き返ったようだったという。写真の一枚を貰い受けた。
 胸躍らせて、雪の中に飛び込める楽しみがあるのはうらやましい。
 
 白い雪は、黄色い蝋梅の花を抱いている。冬と、春の到来を告げようとする蝋梅は、胸躍らせて見に出かける価値がある。何人もの、何十人もの人たちが出かけたか。
 昨今、胸躍らせる思いに遠い。風流心も消えかかる。無念である。

  この世にもまだ心おどるもののあり満月蝋梅君を待ちをり

 やっとできた一首。こちらに胸躍らせるような心がなければ、蝋梅も、蝋梅の写真も応えてはくれないような。

 すぐ観梅の季節がやってくる。