とりとめのない会話

  流山の森の図書館前のバス停。一番寒い冬になりそうな日だったが、風もなく暖かい。1時間に2本の循環のグリーンバスを待っている。
 荷物を持ったおばさんが来る。
「いい天気で助かりますね。雨でも降ったら大変だ」という。
「そうですね」「このバスがない頃は歩いたんですよ」
 こちらはうなずくばかり。何かしゃべろうとするが、うまく出てこない。
 「20分も歩けばいいんですがね。体にもいいし」
 そこへ同い年ぐらいのおばさんが来て、バスの時間を確かめる。15分と45分しかないんだから、ジェスチャーである。
 待っていましたというように、おばさんが話しかける。話は急ピッチで進み、
 「私は昭和5年生まれなんですよ。昔はものがなかった。江戸川の土手を畑にして芋を植えてね」来たばかりのおばさんから年齢を引き出す。
 「8年ですか。それはお若い」
 うらやましそうでもない。話が続けばいいらしい。
 「うどん粉を使って、そのうどん粉もなかったんですね」
 バスが来た。