老人クラブの文化祭・作品展
そろそろ30周年を迎えようとする老人クラブである。いまの会員は90名、かなりの大所帯である。そこで初めての文化祭作品展を募集し、展示会を開いた。展示できる会館が再建されたのである。
かなりの作品で、色を添えたのが女性たちの手芸作品である。手芸クラブが活動していたし、そろっての登場である。しかし、身につける衣類の作品は一人だけだった。セーターを編むなどということはなくなったのだろうか。
そのなくなったものの一つが書道である。書き方である。故人がお手本を習い、それを奥さんが見習って書いた漢詩の五言絶句が並んで出品されていた。残念ながら読解できないが、爽やかである。見ていた喜寿さんが、漢文など習ったことがないという。
そういう時代となった。かく言う私は、短歌を二首、妹の中国土産の硯と墨を使い、苦心惨憺して出品した。筆で書いた作品が、ずらりと並ぶことを想像していたのは、時代錯誤の典型である。