果てなき利根遊水池
もちろん果てはある。国道6号から北新田に入ると、もう利根遊水池である。二車線の道路が、新大利根橋有料道路をくぐり利根川橋の道路を抜け、つくばエクスプレス、常磐自動車道の下を越え、果ては利根運河に突き当たる。その間およそ10キロ、雄大な1,175ヘクタールの遊水池だ。 しかし、利根遊水池は存在せず、ここは田中遊水池という。
見えるのは青い空と緑の田んぼだけ
苗が気持ちよく育ち、天空だけでなく四方八方に遮るものは何一つないど真ん中に立ってみれば、その見事な広大さに快適な気分になる。
同じ流域に、稲戸井、菅生遊水池があるが、2つを合わせても、この田中遊水池には及ばない。
溢流堤がある。450メートルだけ堤防を3メートル低くしてあり、洪水は、ここから遊水池に流れ込む。そばに監視所がある。
遊水池内の「水田9年の収益は、一年の洪水の被害を上回る」という。十年に一度の大洪水に見舞われ、収穫が皆無になっても元は取れる。
120メートルの畦が気持ちよく伸びている。その先を横に排水路が走っていて、また120メートルの畦が続く。その繰り返しで水田が広がっていく。
上のような、畦の上を歩いてみたいな。しかし、ここに二町の苗を育てている同行者に止められた。機械が作った畦は広いけれど柔らかいようである。昔のように、土を水でこねて畦塗りすることはない。