全山揺るがす遍路さん
逆井観音寺の牡丹がやや色あせるころ、観音堂前のハンカチの木が若葉いっぱいになるころ、東葛印旛大師組合の一行が法螺貝を吹き鳴らし、般若心経を唱え、全山を揺るがすようにやってくる。5月3日、沼南・柳戸(やなど)結願区の人たちだ。
東葛印旛大師講、3日目に観音寺へ
東葛印旛大師講は文化5年(1808)ごろにできたという。四国八十八か所の写し札所を、松戸・鎌ヶ谷・柏・白井に設け、その85キロを5月1日から5日までに参拝する信仰行事。かつては全コースを踏破したそうだ。
「送り大師」というのが特徴。10センチ?ほどの弘法大師の木像を納めた笈(おい=厨子)を背負い、札所ごとに送り継ぎ、本堂に安置し、人々の参詣を受ける。
南無大師遍照金剛!
その大合唱を聞いておられるのが不動明王、観音寺のご本尊で、、本堂の奥深く、こちらをにらむ。柱にご真言が墨書されている。
ノウマクサマンダバザラダンカン
信仰と娯楽は表裏をなす。その昔、昼食に当てられた札所では歌や踊りが披露され、楽しんで札所を回ったという。いまはマイクロバスの中の談笑に遍路の楽しみがあるのかも。マイクロバスはめまぐるしく発車していった。
来年の結願区は沼南の箕輪・五條谷