がんばれ逆井囃子


 今年の正月2日、逆井地区では獅子舞が家々を回り、にぎやかなお囃子がひびいた。

 富士浅間神社の囃子連中の一行である。獅子舞だけかと思われがちだが、五穀豊穣、家内安全の祈願が本筋で、正月2日と7月10日の例祭には大太鼓1、小太鼓2、横笛1、鉦(かね)1の厳粛な祭礼囃子が流れる。

 その鉦には文政10年と印刻されており、160年前から営々と受け継がれてきた。2つの小太鼓では「先ぶち、後ぶち」という打ち方があり、後ぶちで囃子が盛り上がる。これが好評で、近隣に呼ばれて伝授してきたそうである。

 問題は後継者である。盛時には30人ほどいた保存会のメンバーも半分ほどになっていて、先行きが心細い。

 これを逆井中学が総合学習にとりいれ、保存会が指導している。昨年6月の同校の創立20周年を祝う会でも生徒たちの見事な演奏が披露された。教育に地域と連携した効果が期待できそうである。

 祭りには面白さ、楽しさが大事。逆井囃子には「仁羽(にんば)」という、おかめ、ひょっとこの面をつけた掛け合い漫才みたいなのがある。逆井中の20周年で衣装を付け披露された。掛け合いはなく、ゆったりした所作を見せた。仁羽を見る機会もなくなっている。