有機栽培でとれたトマトの味


  トマトはうまいのがいい。それが農薬も撒かず化学肥料も使わない有機栽培が生んだものなら、もっといい。そういうトマトが逆井でも生産されている。味覚は人によって違うけれど、パーフェクトな有機栽培は事実である。

 柏稜高校の横を通り、信号に出る。その右手に野菜の販売所がある。「ファッショントマトハウス深野」という名のトマトを作っている深野俊郎さん(写真)の直売所だ。ハウスは、道路をはさみ反対側の奥にある。
 500坪のハウスが2つ、初めて見に行ったのは3月中旬、青い実を付けたトマトがぎっしり圧倒するように育っていた。

 深野さんは、腐葉土などの有機物を投入し、土の中の微生物を生かした土壌づくりを根本にしている。活力ある土で、植物本来の生命力を引き出す。
 農薬の代わりには、海藻から抽出した粘性のある半個体を溶かして使う。害虫の気門にくっついて窒息させる。木炭を焼くとき出る煙から作る木酢液なども使っている。
 苗半作という。苗は山口から9月に7000本が来る。大きく育ててから11月に定植、伸びたら固定する。こうして3月末には「香りのある、うまいだけでなく、4~5倍の栄養価を持った」フアッショントマトが売り出されることになる。7月ごろまで、超多忙の収穫が続くそうである。
 ちょっと散歩ついでに100グラム120円(4月から100円)のトマトを食べ、気になったら、そのわけを深野さんにいうのもいい。ハウスにいて、気軽に応じてくれるはずである。