後から渡れば熱くない
子の神大黒天の火渡り
(我孫子 10月28日)
法螺貝を吹き鳴らし、紫、黒、黄の法衣姿の山伏13人が登場すると、200人ほどの観衆は静まり、雨中のページェントの始まりに固唾をのむ。 観音経と般若心経が大音声で唱和され、煩悩や悪霊を追い払うという斧がふるわれ、弓が射られ、剣で切り払う。そしてヒバの炉壇に点火。
1枚500円で名前と年齢を書き、積まれていた護摩木も投げ込まれ、炎は信じられないほどの高さに燃え上がる。その熱さに、観衆は仰天して一歩も二歩も引き下がる。火渡り前の小手調べというところである。
下火になると炉がならされ、真ん中に火渡りの道が出来る。火生三昧と言うそうだが、まだ熱い。2、3度深呼吸した山伏が、エイッと気合いを掛けて渡ってゆく。がんばれ。
いよいよ観衆の番。雨が降っている。これも1本500円で頂いた南無大黒福寿尊天というお札を挟んだ竹を持って火渡りである。わずか7、8メートルか。山伏に気合いを掛けられ、渡れば抱きかかえてくれる。これで柴燈護摩火渡り初体験。踏みならされ火の道は冷たくなっていた。
子の神大黒天(ねのかみだいこくてん)ネズミを使徒とする大黒天をまつり、腰下の疾患に霊験があるといわれている。鳥居をくぐってお参りするから神社である。しかし、本堂は真言宗豊山派の延寿院で、神仏混淆(しんぶつこんこう)ということになる。
火渡り記念にもらったのは家運隆昌・福徳円満の「福の神」。財布に入れておけば必ず幸運をもたらすという。 我孫子市寿二の二七