鈴鉦(れいしょう)響き和讃三昧
ご詠歌と和讃
和歌の31文字に節をつけたものをご詠歌、七五調の詞句に節をつけたものを和讃という。和讃は七五調の4句を一連とする。すでに平安朝時代に盛んとなり、江戸時代にかけて行われた。
花まつり和讃
春は霞に鳥歌う卯月8日ぞめでたけれ/花は百千の香に匂うルンビニ園の朝まだき/天地こむるよろこびに生まれ給いしみ子貴と/法のみひかりさしそめし幸おうこの日讃えなん/人は誰しも世にひとり生かせ尊きこのいのち/甘露の水を濯ぎては心に開け法の花/南無大聖釈迦世尊南無大聖釈迦世尊
改修工事の音がひっきりなしの逆井・観音寺の本堂で、和讃の総仕上げである。
本堂の落慶式と観音堂の十一面観音のご開帳が行われる4月7日、和讃のゆったりとした歌声、鈴鉦(れいしょう)の、人の魂を誘い込むような響きが全山を回るはずである。
指導されるのは住職の戸部謹爾さん、豊山流の和讃は曲調はもとより、鈴鉦の所作が流麗だ、といわれているが、なるほどと思われた。
左手に鈴(れい)、右手には撞木(しゅもく)を持つ。鈴を鳴らし、その鈴を撞木で打ち、撞木を水平に左右に動かす。右下に置いた鉦も撞木で打つが座敷用らしい。13人の歌う和讃が鈴鉦に元気付けられるように続く。住職は歌と所作に厳しく目を配っている。
始めには、御信條、懺悔文、三帰三竟などが唱えられ、般若心経、さらに長い観音経まで読み上げる。おん あろきゃ そわか、という真言も繰り返す。和讃は修行の1つなのである。
練習したのは、花まつり和讃と総本山長谷寺和讃。