改修なった観音寺の春


 朝がた降っていた雨はやんだが、まだ厚い曇り空に、ドドーンと花火が上がる。観音寺の本堂改修落慶式は4月7日、この音とともに始まった。回廊では逆井囃子の軽快な響きも。10時にお隣の逆井会館からお練り開始。真っ先に、きらびやかな、かわいらしい稚児さんが、母親に付き添われてゆっくり到着。続いて、和讃グループが白の遍路姿で、鈴と撞木を手にさっそうと登場。改修工事の続けられていた本堂で、特訓していたけれど、のびのびと明るい。

 角塔婆開眼で、5色の布が現れ、ご本尊につながっているのを拝むころには薄日も漏れてきた。本堂では、16人のお坊さんの読経が始まり、工事の経過報告などがあり、続いて観音堂に移り、ここでも塔婆開眼、読経。秘仏十一面観音の12年ぶりの午年ご開帳となった。



 観音寺の改修された本堂は、入母屋造り軒唐破風銅板葺。昭和42年に建てられたが、いたみがひどく改修に踏み切ったという。400軒の檀家から、総計1億5000万円の浄財が集まった。

 すでに牡丹寺として有名だが、真言宗豊山派安楽山誓光院観音寺という。改修工事の趣意書によると、405年前の文禄4年(1595)、約1キロメートルほど離れた手賀沼よりの中島というところに開創され、寛保2年(1742)、現在の地に移ってきたという。観音堂は天明2年(1782)に創建され、十一面観音を迎え、午年に開帳している。

 お大師様を背負って回る送り大師講の69番札所でもある。