春の遍路3年目の結願

 結願である。利根運河お大師遍路の八十八ヶ所をお参りしました。さあ、私の願いを叶えてください。

 八十八の札所を5地区に分けて春秋のお大師様の日に歩く。初参加したのが平成11年の秋、いきなり雨天中止。翌12年の春遍路からスタート、そして今年14年4月の春遍路で札所を無事ひとまわりした。

 最終は(5)江戸川コース。雨の中、流山の浄観寺を出発、西深井の札所から浮き橋を渡り大師堂へ。ここには17のお大師様が集められている。効率のよいお参りである。雨降りやまず、田植え間近の、広大な深井新田を行く。江戸川に流れ込む運河の終点に立つ。といっても運河の水量はわずかである。江戸川は滔々たる流れ、美しい景観が広がっている。

 青年館で接待を受けて昼食。残るは2つ、いずれも野田市の今上と上花輪。ここから往復8キロはあるという。雨やまず、やむなく中止、解散となった。結願とはいえ、あやふやな信心。未知のところを歩いてみたいというのが本音だから、秋の遍路に夢をつなぐことにした。

利根運河とお大師遍路


 明治23年に開通した利根運河は、柏・野田・流山の3市にまたがって、利根川と江戸川を結ぶ8.5キロの運河。最盛期には1日100隻の高瀬舟が運航したという。運河開削工事の犠牲者の慰霊と地元住民の交流を目的とし、大正2年に大師堂を建立、新四国八十八ヶ所運河大師霊場ができた。

 平成2年に、四散した堂宇の再建と環境浄化、観光に寄与することをねらいとした利根運河霊場再建実行委員会が発足、8年には、札所の後継者が母体の利根運河大師護持会(会長・秋元大吉郎)に組織変更された。春秋の2回の遍路を実施、初参加者も多い。事務局は流山新聞社。

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