ナマズより「まんじゅう」食べたい

手賀沼のほとり、柏市と合併した沼南町の三つの郷土料理をすでに紹介した。その一つに、「バラッパまんじゅう」がある。まんじゅうこわい! 
 甘いアンコの入った素朴でおいしい手作りまんじゅうという。
 小麦粉にジュウソウをまぜ、水を入れて耳たぶくらいの硬さにこね、30分ほど濡れふきんをかけて、ねかせる。アズキをあんに煮て置き、さきほどの小麦粉をまんじゅうの形につくり、あんを入れ、熱いせいろで10分ほど蒸す。
 でも、普通のまんじゅうと同じではありませんか。
 このとき、サルトリイバラの丸い葉に、まんじゅうをのせて蒸したという。だから、バラッパまんじゅうというのではないか、と説明されている。ミョウガの葉にのせて蒸した、という人もいるそうである。
 バラッパというのは、サルトリイバラのハッパまんじゅうということらしい。
 サルトリイバラは、トゲがあって猿がひっかかる、と言う意味で、ツルでよじのぼる落葉の低木。全国の山野に育つ。葉は円形で光沢がある。餅を包んだりする。なるほど、これで了解。
 このまんじゅうは、かく名前が付けられ、「農作業のあいまのおやつになったり、お彼岸料理のひとつ」になったようである。