送り大師とボタン満開
吹き鳴らすほらがいを先頭に、南無大師遍照金剛の白衣をまとったお遍路さんが続々と姿を現す。午前9時、柏市逆井の観音寺の有名なボタンたちは、まだ夜来の雨に濡れていた。
ことしの結願区、沼南の藤ヶ谷を1日に出発した「送り大師」(東葛・印旛大師組合)は、85キロの遍路をゴールデンウイークの5日間に回る。手賀沼の南岸、柏市・白井・鎌ヶ谷・松戸に配置された88ヶ所の写し札所を厨子に入った大師像が背負われてゆく。
300人近い人たちだろうか。69番札所の前で、般若心経などを唱え、続いて観音堂、さらに本堂前でも斉唱。ひと休みして、すぐ近くの48番に移動して行った。
時代は変わる。歩くのはやめた遍路さん。マイクロバスや乗用車が連なっている。夜は厨子を預けて帰宅、翌日再び集合となるようである。
来年の結願区は、同じ沼南地区の大島田。5日間の遍路を終わると、大島田の人たちに大師います厨子を届けて、結願(けちがん)になる。