写真を撮ってはいけませんよ


 中宮字寺の半跏像が、桜満開の4月、東京国立博物館に出開帳されたとき、おばあちゃんがデジカメで、パシャパシャやっていた。監視?の係員が飛んで来て、撮影禁止だから、写した写真を消してくださいという。
 おばあちゃんも常識がないよ、どこでも禁止のはずである。消し方が分かりませんという。おばあちゃんは拉致されてしまった。
 ところが、入り口では外人さんが数人、デジカメで撮ってきた半跏像を見せ合ってギロンしていた。監視の目を逃れたか、まさか監視係が見逃したわけではなかろう。
 再び「ところが」である。老人クラブのOさんが、10日間のスペイン・ポルトガル旅行で撮りためた1241枚の写真の中から数十枚をHPにあげて紹介してくれた。そのなかに、プラド美術館の、ゴヤ、ベラスケス、ボッシュらの垂涎の絵が収まっていたのである。ボッシュの「快楽の園」、ゴヤの「着衣&裸のマハ」etc。
 フラッシュを使わなければOKとOさんは言う。そうか、OKなのか。写真は、Oさんの撮ったHPからの拝借である「裸のマハ」。観光旅行の最終日のプラド美術館らしい。お疲れ、ご苦労さまでした。
 でも、日本では撮影OKにはなるまい。名画は尊いもの、仏様は拝むものなのである。