真夏を飾れ、初雪草の花、花


 ギックリ腰もおさまったようなので、菜園に出た。キヌサヤ真っ盛り、雑草も真っ盛り。雑草のすさまじさを見ると、いつも和辻哲郎「風土」の、外国には雑草がない、というところを短絡的に思い出す。豊葦原の瑞穂の国だから仕方ないよ、と雑草を毟り取る。ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、いい名前が付けられているが、ごめんよ。
 そのなかに、初雪草の小さいのが、あちらこちらに育っている。たくましさはない。遠慮しいしい、みずみずしい葉を伸ばしている。まだ5センチもない。毎年、この初雪草が十数本、見事にこんもりと白い花を見せる。圧巻だと思うが、菜園の中だから、感心しない隣人もいるようである。
 灯台草科なのだそうだ。学名を日本語にすると、「縁とりのあるユーフォルビア」とか。ユーフォラビアとは何か。アフリカの王様の侍医で、乳液を薬にした、ローマ時代の話らしい。
 写真は、あるところから拝借した。これがわんさと集合して雪に見える。太平洋戦争時のに、将兵を慰めるために、「南の島に雪が降る」という芝居演じた話を聞くが、
 菜園に雪降りしきる真夏かな
たぶん季語がふたつもあるぞ、と言われそう。雑草の中に雪割り草だけ残した。夏日暑し。