「国有地」が目立ってきた
畑地が草ぼうぼうになったと思っていたら、「国有地」の看板が立つ。それが、あっという間に整地され、あっという間に現代風の家が何軒も建ち並ぶ。新住民の車が並び、幼児が喜々として遊んでいる。
人ごとではない。こちらも40年前はそういう新住民だった。でも、「国有地」の看板を見たことはなかった。それは散歩コースの畑地にも立っている。それが飛び火?して百本近い杉?の植林地にも立った。税金の物納と言うことか。
一ヶ所だけ、看板の立たない林がある。二次林だが、ほっとする緑地である。真中の道を歩くと、ゆるい上り坂が100メートルほど続く。市内から、隣りの町内に出る。市側の町会が管理していると言うが手が回らない。樹木に標識一つ。「落ち葉を持ち去らないで下さい。○○園芸」
そこに電話する。広さは七反、70アールほど。落ち葉はくぬぎ、かし、まつばなどなど。これをなすなどの育苗の床土にするという。おおっぴらに入っていいとは言ってないが、景観豊かな里山ゆえ、入るだけならいいという。しかし、ゴミを捨てる人がいる。落ち葉は確保できても、ゴミが入っていては使い物にならない。最近うっかり使えないから、林の手入れも怠りがちだそうである。
国木田独歩の「山林に自由存す」と、気取って木漏れ日の中に立ってみるが、「国有地」の看板だけは建って欲しくないものである。○○園芸さんにそういうことは聞けなかった。