人には上げられないイチゴ


 イチゴはいい色をしている。どうして、こんなきれいな色ができるのか。そして、わが家の菜園では、なぜ写真のようなものが10杯以上も、相次いで採れるのか。イチゴはなんにも言わないけれど、である。
 スーパーに行く。ダイコン、ニンジン、トマト。その芸術作品のような見事な造形に、いつも感嘆する。すっきり、真っ白なダイコン、久米の仙人が見たら何と言うか。女性の素足など足もとにも及ばない、と言うだろう。わが菜園はそうはいかない。腰が痛いと何ヶ月も放って置くからである。その代わり、どんな小さいものができても食膳に上がる。
 イチゴもそうである。すべて小粒、自由気ままに顔を向けて育つ。あのデッカイ、かつ粒ぞろいのに慣れている人には上げられないのである。でも、洗って悪いところを取ってしまえば写真のような美人が勢ぞろいする。
 近所の農家の人が言う。中国から安い野菜がどんどん入ってくるけれど、すぐ中国自身が必要になり、輸出どころではなくなるよ、と。
 それまで、菜園が続くかは分からない。

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