柏の葉の表を使った柏餅
写真の柏の葉をごらん下さい。開き方が無造作だったため少し格好悪いが、葉は表を使っている。その前に、抹茶とともにいただいた柏餅は葉の裏面である。
野田市の上花輪歴史館では、月遅れの「端午の節句飾り」の最後の日、6月5日に館内の柏の古木の葉使った「柏餅付抹茶セット」が供される。館長夫人が着物姿で、縁台に座った見学者に応対される。入場料500円、セット500円で江戸の昔からの高梨家の伝統を楽しもうというわけである。
高梨家は江戸時代からの醤油醸造業、館長の高梨兵左衛門氏は30代目という。当家伝統の年中行事が公開される。国指定の庭園の中に昔のままの家屋敷、樹木が多い。タイザンボク、ヤマボウシ、センダンが花をつけていた。
柏餅のことである。野田市野田の風月堂が柏餅の製造を請け負っているが、すべて高梨家の文書に書かれてある通りの製造法だという。味噌餡は葉の表を使う。裏を使った普通の餡も白い餅だそうだ。成田市の有名菓子店の柏餅は、大福のように丸かったというと、作る職人もすくなくなったから、機会化されているんでしょうという。
柏餅はかぶとのように見えるから、端午の節句に食べるんですよと教えられた。なるほど、そう聞いたこともあったような。2時起きして作ったという400個の柏餅は、古木の葉と江戸時代からの井戸水を使った抹茶とともに、結構な味でございました。