うしろの正面だァれ!
うしろのは、だァれもいませんよ。かわいそうに、いつまで目隠しさせておくんでしょうか。
かァごめ かごめ/かァごの中の鳥は/いついつ出やる/夜明けの晩に/鶴と亀とすゥべった/「うしろの正面だァれ」
野田市の清水公園駅前に、かごめかごめ…の歌詞をしるした像が建っている。岩波書店の『わらべうた』(1983年・初版)には、「野田町(現、野田市)地方の唄。同じく人当て鬼の唄」とある。それ以後発行された他社の本にも、これが踏襲されているようである。全国各地で歌われたものが、野田の唄とされることになったらしい。
野田市郷土博物館では、昭和初期に、野田の小学校の先生だった山中直治(1906-1937)が採譜して全国的に有名にしたという。それで、町起こし?像が建った。
いつまで目隠ししやァる。雨の日も風の日も。
古事記の崇神天皇の項に、なぞめいた歌をうたう少女が出てくる。このなぞめいた歌の一つとして、かごめが学校の講義などで紹介される。さらに日本書紀では、童謡(ワザウタ)として出てくる。人事を風刺し、時の異変の前兆などを暗にうたう歌、という。わらべうたや童謡はは、わざわいの歌だった。
かごめのもと歌は、江戸のわらべ唄を集めた本で、終りの「後ろの正面」が「なべのなべのそこぬけ、そこぬいてたァもれ」となっている。