いい加減に聞くではないぞ

 島田修二追悼特集号の『草木』6月号をいただいた。

 これからが本番だと声に出してゐる君いい加減に聞くではないぞ
 
 これは昨年11月に行われた「偲ぶ会」で、佐佐木幸綱氏が紹介し、「これからが本番で、明るいひょうきんな島田修二の短歌、アナーキーな島田修二の短歌が作られるはずだったのでしょう。作れなかった島田さんも悔しいでしょうが、読めなかった私たち悔しい」と語っている。
 明るいひょうきんな…で、修二短歌に縁のなかった身は驚かされる。昨年11月の横須賀市中央公園の歌碑建立除幕式の2ヶ月前に死去。歌碑建立などで奔走していた友人から除幕式に配布された、記念のポストカードや「歌集 渚の日日」など送ってもらっていたが、人柄を言い切った佐佐木氏の言葉がいい。
 追悼歌、追悼文が続く。それぞれの思いが詠まれ、語られている。

 何をしてゐるのだといふこゑのする 歌をつくつてゐると答ふる

 「潮のみち」の一首。ご冥福をお祈りします。