向島百花園にタケニグサ


 向島百花園の7月は、中途半端な季節である。
 秋の七草の案内板の前で咲いているのは、オミナエシとキキョウだけ、創始者の佐原鞠塢が作った秋の七草の案内板もあるが、ここでも咲いているのは午時花(ごじか)だけである。物憂いようなムードだが、かき氷を食べてしばしの散策。御成座敷では句会をやっていた。
 水音が聞こえる。赤の華麗なオイランソウが、堂々のわが世の春を見せてくれる。その近くで思いもかけずタケニグサが、たった一本だけ咲いていた。雑草というにしては大きすぎ、雑草というにしては一本だけである。
 柳田国男の「タケニグサ」の克明なものを読んで、この毒草に興味を持っている。どこからか紛れ込んだか。あるいは栽培種として登録されるのだろうか。雑草が多い。これから手入れされるとすれば、たぶん抜かれてしまうだろう。
 デジカメで撮った。これほど大きくなり開花しているのだから、見逃されてきたのか。百花園でも侵入種も多いことだろう。

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