結構な味ですよ スベリヒユ

 わが菜園の最強の雑草はスベリヒユである。こまめに草むしりをすればいいのだが、真夏にはのび放題。これは食べられるし、救荒植物だったと読んだ記憶がある。飢饉のときに、これを食ったのかと思いながら抜く。これはするりと抜ける。ただ葉も茎もツルツルしていて多肉質だから積み上げて処理に困る。

 これを食べた。隣り畑の来客が、せっせと摘んでいったのである。摘み草に豹変したのを見て、わが家も抜き(摘み)、茹でて細かく切ってしょう油をかけてビールの肴にした。モロヘイヤのような粘り気のある味わい、悪くない、good。
 
  釣るされて一期しまひぬ辷りひゆ 一茶
 軒に吊るしておくと、馬に虻(あぶ)が来ないそうである。この一茶の「ひゆ」はクサカンムリに「見」と書いている。字はあるけれど、インターネットでは使えない。スベリヒユの漢字は、滑歯〇、馬歯〇。〇の中には、クサカンムリに見を書いた字が入る。
 文字・活字文化振興法が成立したけれど、ヒユの本字はむりですね、一茶さん。

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