私の作った竹べらをどうぞ
シニアハウス柏から庭木の手入れに来てくれる。モクレン、ハナミヅキ、モッコク、カシワ、キンモクセイが狭い庭に身分不相応に育っていて、それをカンツバキの生垣が守っている。
身分不相応は、やがて満杯になって崩壊するような気がするけれど、いまのところ平和である。庭木の手入れに来てくれて、木が多すぎますよ、といわれそうだが、いまだ言われたことがない。
過日は、会社勤めをやめてボランティアという人が来た。そして、自分で作ったという竹べらをくれた。見事な作りである。これで盆栽や鉢植えの手入れをしなさいという。残念ながら盆栽はない。
その竹べらに字が書いてある。さらりと書き流したよい字である。袖すり合うも他生の縁、などとある。その中に一句、春愁や歌で伝へて恋ごころ とある。
季節がずれているのは仕方がない。人に愁いは常にある。恋ごころを短歌で伝えるのでないとすれば、歌声を聞かせるのか。今度来てくれたら聞いてみよう。