友禅師の貴重な陣中画
友禅師が召集されて中国前線に行き、そこで現地の風景、風俗、兵士たちの様子を、画用紙を綴じた画帳を作り、克明な細密な絵を描いていた。そこに殺伐なものは何もない。おおらかな友禅師の心が見えるような絵の世界がある。上官の温かい目が向けられていたのだろう。
五冊の画帳は、娘さんの手に残され、娘さんのご亭主のパソコン修業が実って、数十枚の絵がホームページにまとめられた。ようやく娘さんの希望が実現し、今様の日の目を見たわけである。
掲載した絵は、その一枚。悠然とした世界が広がる。2ページを使って描いてあるから、綴じめが出る。いかにも前線スケッチらしい。
友禅師は、昭和42年に亡くなっているが、友禅染の見事な、みやびなきものも残されている。また、いくつもの美人画もあり、じっくり拝見させていただいた。
それも、やがては陣中画と同じホームページに掲載されるに違いない。