縄をころがし縄文人気分

柏市文化財整理室を公開

 十余二の柏市文化財整理室が、11月2~3日に公開された。整理室として整備されたのは平成9年で、昨年から公開を始めた。

 やや広い展示室に入る。右側に11個の縄文時代の、食物などを入れたらしい、大きな深鉢が並べられている。どこかで見た記憶がある。藤心の林台(はやしだい)遺跡の発掘品で、同じ深鉢が、下の写真のように藤心近隣センターにも展示されているのである。深鉢は痛々しい。もちろん原型そのものはない。本来の茶色の土の部分はわずかで、包帯のような白い部分が補っている。それが11個も並ぶと、はるかな縄文時代に思いが飛ぶ。


土器・鏃(やじり)・石斧

 発掘品は4人の専門家が作業していて、発掘の人たちも手伝うという。入り口に収蔵の土器の「断片」が積み重ねられていて、気の遠くなるような作業に思える。北柏の花戸原の竪穴住居の発掘が進んでいる。

 展示室には期待した、びっくりするような埴輪や土器は見あたらない。でも、この柏の台地では旧石器が確認され、縄文人が狩猟と漁労で生きてきたことの証拠品がかなり豊富に展示されている。

 粘土の上で縄などをころがし、縄文を作る装置があった。そばには本物の縄文土器の見本がある。子どもがこわごわと実験していた。すぐ縄文人になれる。 藤心の林台遺跡は昭和60年の発掘で、約6000年前の住居跡76軒と土器・石斧などが見つかった。逆井に近い。1500年前の古墳時代の住居跡も5軒あった。