むずかしいよ 書道展


 かな文字の書道の先生の書道展を見学に、池袋のサンシャインシティ文化会館へ行ってきた。全国公募第27回の「東京書作展」で、先生は審査会員ある。
 あちらこちらで、同じ先生の書に親しんできた。だが、一回として一目瞭然、分かりました、読めましたということがない。蕪村の句である、万葉集であると聞いておけば、なんとなく読み方を引き出すことはある。しかし、今回は歌であることは分かるが、一字も分からない。同じ日本人なのに困ったことである。
 今回の展示作品は、3479点だと言う。その書作の中をウロウロする。たまさか有名詩人や歌人の、何とか読める作品に出会うとほっとする。東京都知事賞という愛知の女性の童謡の歌詞を盛り込んだ作品を見たが、何個かの言葉を納得したが全体がつかめない。ひょっとしたら我輩は、日本語を知らない(忘れた)異人かもしれないと思ってくる。
 しかし、書道と言う芸術は、活字とは違った空間に飛躍するもので、万民に理解されようなどとはツユ思っていないのではないか。

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