オシッコの仕方

 同人雑誌の原稿で、柏・流山・野田市内に散在する利根運河大師のお遍路さんの話を書いた。春と秋に八十八の札所を五つに分けた1コースを歩く。順調なら2.5年で一回りする。いま2回目が始まっている。
 地元の護持会の人が中心だが、だれでも参加を歓迎される。1回で歩くのは平均15ほどの札所である。人家があり、森があり、林があり、田畑がある。主人公は前立腺で、オシッコの回数が少し多い。それでも、男性だから適当に処理する。
 女性の参加者はどうするか。主人公はその昔、子どものときに見た着物を着た「おばあちゃんの立小便」を思い出す。何回か立ち会った記憶はあるが、細部はハッキリしない。田舎に電話しても答えてくれそうな人は絶無である。原稿は、そのあたりはぼかした。いまでも釈然としない。
 ところが、やっとその具体的なやり方が分かった。週刊文春の高島俊男氏のエッセイ『お言葉ですが…』に出ていた。着物とオコシをひとつまみにしてちょっと持ち上げ、上半身をやや前傾し、両手は膝についてやるという。男の立小便と違って、道の方を向いてやるそうである。
 太い、まっすぐなのがジャージャーと出るという。実験1.とりあえず女房には断られた。明治になって立小便の禁止令がでたと、どこかで読んだ記憶があるが、それは女性だけが対象だったという。

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