柏餅は貝型か丸型か


 端午の節句には柏餅を食べる。しごく一般的なことだが、貝型か丸型でいつも悩む。味に差があるわけではないけれど、貝型が本当で丸型は大量生産による安直柏餅だと思っていた。 わが家で作るわけではないから、近所の和菓子店から買ってくる。貝型がよい、それでも丸型も買ってくる。つい買いすぎる。とても尚武の精神なんかない。食べるだけである。
 どこかで貝型と丸型のアンケートをとったところ、貝型68%、丸型32%という結果が出たそうである。ほら、柏餅は本来は貝型が主流なのだ。そこで、丸型を作る和菓子店は和菓子つくりの精神を忘れていると、決め付ける。
 母がいなかったから、柏餅を作って食べた記憶がない。女房の話では、もちろん家でも作ったが、あっちこっちから持ってきてくれて、柏餅ばかりになったという。そういう思い出? を持つのは幸福である。
 野田の上花輪歴史館では、庭園にある250年ほどの柏の葉を使う。だから、来月、つまり一ヶ月遅れの柏餅をいただく。6月4日、また、風月堂さんが作るらしい。もちろん貝型のはずである。

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