嵯峨信之の詩

遺族から3千冊が市立図書館に寄贈

柏市光ケ丘に住んだ詩人の故嵯峨信之(さが・のぶゆき)のご遺族から約3,000冊の蔵書の寄贈があった。柏市中央図書館では、このうちの300冊を開架の棚6段に収めて公開している。

明治35年に宮崎県に生まれ、平成9年に95歳で亡くなった詩人は、「現代詩人賞」や「芸術選奨(文部大臣賞・文学部門)」を受賞しており、7冊の詩集を残している。

「怒涛の二十世紀を自ら肌で感じ、川岸の向こう側へ渡っていく死を探求し続けた(河野龍彦)」と言われており、その魂の詩は、難解さを持ちながら、身近にいる親しさがある。

300冊の中に、見落としがなければ、上掲写真の5冊の詩集がある。この5冊を読み解き、鑑賞しながら、一編だけ紹介した。これだけで嵯峨信之詩の片鱗もつかめないが、やむをえない。中央図書館で、「川岸の向こう側」を覗く詩の世界は開かれている。

「愛と死の数え唄」1957年
「魂の中の死」1966年
「開かれる日、閉ざされる日」1980年
「土地の名~人間の名」1986年
「小詩無辺」1994年

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