ぐんぐん育つ稲苗
これが現代版の苗代か、などと言うと笑われる。仕方がない。終戦直前の勤労奉仕で、農家に泊まりこんで働いていた中学生の古典的農作業の記憶とは雲泥の差がある。
千葉県柏市の農家、4月1日に播種、ハウス内で水耕栽培、1ヶ月で田植えOKという。すでに17日がたった。ぐんぐん育っている。この勢い、米食民族の生きがいである。小学生のとき、苗代の害虫を取るのも授業の一つだったな。
これを利根遊水地の2町歩に植えるという。倉庫に、わずか3日しか使わない田植え機がある。トラクター、コンバイン、それにボイラーを使う乾燥機、精米機が格納されている。すべて機械、工場のおもむき。
聞き違いがなければ、この育苗箱15杯で300坪、1反を植える。2町6000坪を、このひと目で見渡せる苗でまかなう。健苗育成、水や温度の配分に気を使うことだろう。
3月に鴨川で田植えをしたと聞いたが、春たけなわ、全国で田植えが始まる。でも、わがふるさとグンマの、はるか昔の思い出の中には、二毛作の麦を刈ってから水を入れていた。遅い7月になる。