消えた!逆井ばやし


 柏市逆井(さかさい)地区には、文政10年(1827)という刻印の入った鉦(しょう)がある。今年も、うぶすな(産土)の逆井浅間神社では7月15日がが例祭で、ちょうど開かれていた南部祭りの芸能大会に出演した。
 大太鼓1、小太鼓2、鉦1、横笛1で、軽快な音曲に乗って、おかめ・ひょっとこなどが繰り出し、昔の田舎で聞いた記憶が残っていて懐かしい。当世カラオケなどの比ではない。観客の大半、いや全部が「異郷人」であろう。
 柏市では、隣の沼南町と合併し、その記念?に「柏市文化財マップ」を作った。広げると新聞見開きほどの大きさで、克明な全市のマップとなり、40近い文化財(県指定・市指定)が写真とともに解説されている。
 ところが、江戸幕府11代家斉の時代から、打ち鳴らされてきた逆井ばやしが掲載されていないのである。つとに市指定無形文化財と聞いていた。
 編集した教育委員会生涯学習部文化課は、沼南庁舎に移っている。消された逆井ばやしのために、理由を聞いてこなくてはならない。

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