三八式歩兵銃は重かった
三八式歩兵銃を手に取る。重い! 全長182センチ、3.95キログラム。終戦時に小学校6年生だったと言う会員が解説している。もちろん体験ではない。引き金を引くと、肩に衝撃が来ます、と。もちろん体験ではない。
5連発の薬きょうがある。これを体に巻き行軍した、と。これも体験ではない。 すべては風化した。筆者は中学生だった。小6よりも、少しは体験がある。しかし、「平和のための戦争展」(柏市中央公民館3階)の見学者である。黙々と見せていただいた。展示・解説がいっぱいあり、若い女性が質問していた。
朝鮮に徴兵令が敷かれた日の新聞のコピーがある。
澎湃たる民意に應ふ
とある。その澎湃(ほうはい)たる民意に、いささか呆然とした。カッコいい言葉ではないか。民意とはだれの? 朝鮮のひとたちの、である。昭和19年のことである。小6も中学2年生は何も知らなかったが。すさまじい世界が広がっていた。
三八銃は担げなかった。歴史も重すぎた。