ナポレオンのお母さん


 千葉ポートサイドタワーというところで、「大ナポレオン展」というのを観た。千葉日報社など主催だが、カタログを見ると、八王子の東京富士美術館の企画らしい。
 絵画、彫刻、工芸品が展示された豪華な世界が広がっている。寡婦となって8人の子を育てたと言うナポレオン(次男)の母レティツィアの絵が見たかった。子を宿しながらコルシカ独立のために戦い、後に世界一幸福な母といわれながら、「不安と苦しみの連続だった」と言う美人。
 出品されていたのは大理石の彫刻。それも絵画に基づいて制作された「右手に本を持って座るレティツィア」。ギリシャ彫刻のような堂々たるカンバセ。ひもどくのは何の本か。
 この「8階美術館」には、トイレが無い不思議。一度外に出て9階へ階段を上がる。観客の喧騒から抜け出た外は真昼。千葉港らしいのを見下ろせる(写真)。豪華なナポレオンとは、まったく無関係。
 ナポレオン52歳で死去、同年輩の総理大臣が日本では生まれるはずである。

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