煮られたタケニグサ
柏市のアミュゼ柏の1階展示場で、「野の花を描く会」の第7回作品展を見た。100点ほどが展示されていたが、絵は繊細で、ガラス越しに撮っても把握できない。デジカメ技術がうまくないのである。
竹似草が講師の森ふじ代さんのほかに1点あった。上掲の写真がそれで、竹内和子さんのもの。タケニグサは、柳田國男の『野草雑記』で触れられているが、「竹煮草」とあった記憶がある。再読してみたが、「タケニグサ」とあり、竹似草や竹煮草という言葉は出てこない。
森講師の話では、実際に竹を煮ることが戦時中に行われていたという。初耳である。埼玉県の、和紙作りで有名な小川町では、竹ヒゴを使って風船爆弾を作ったと言う。竹ヒゴといっても太いのだろう。その竹ヒゴを曲げるのに、タケニグサと一緒に煮る(茹でる?)というのである。
柳田の『野草雑記』は昭和11年の話である。実際に竹を煮た「竹煮草」があったとは驚く。そういうことまで踏まえた「野の花を描く会」らしい。作品の中に描かれた花の名は目録の中に書き込まれていた。