ゾクゾクする日本語の遣い方
知人の書道家は「書は絵である」という。一枚の紙の中に、和歌を書く。すんなりひらがなばかりでなく、変体仮名や万葉仮名を遣い、漢字に置き換え、字の大きさを配分して書く。9月末から1日まで、柏そごうの8階通路ギャラリーで、写真のような和歌に出くわして、知人の言葉を思い出した。
これは百人一首の猿丸大夫の一首。
おくやまにもみぢ踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋はかなしき
何首かあったが、見やすいところにあった。先生が見えて解説してくださる。
奥山尓紅葉ふみ王け鳴九鹿乃こゑきく時ぞ秋者可なし支
それが五行の分かち書きである。これも日本語の遣い方か。いや絵であるか。
9月始めに、我孫子市書道連盟展を見てきた。そこに子規の一句があった。
桐の木に葉もなき秋の半ばかな
桐の木二葉も那起秋の半ハか奈
上が子規、下は出品作品。私などゾクゾクして、猿丸ともども真似したくなる。
柏そごうの作品展は、あけぼの書道会(流山市古間木280-47)のもので、小学生の作品が目を引いたのである。桐田和光(郁子)代表が、中学生になっても書道を続ければいいのですが、と言われた。