筆者も飛び込んでいる紹介の本

  朝刊の、極小コラム「つれづれ」というのに5回続きの「私のとっておき」という忘れがたい本、心に残る本が紹介された。読者には、どんな記者かはまったくわからない。
 あげた5冊はこうである。
 ①ワシーリー・ペスコフ『アガーフィアの森』
 ②千野榮一『プラハの古本屋』
 ③西江雅之『花のある遠景』
 ④湯川豊『イワナの夏』
 ⑤ニコライ・A・バイコフ『パイコフの森』
 千野榮一、西江雅之の、細々とした読者ではある。この二冊買って読もうと思う。残る三冊は、初対面である。たぶん手が出ない。ノン・フィクション調らしい。たった5冊だからだろう、期待していた文学書は出てこない。
 こういう紹介は面白い。短いエピソードも出てくる。千野榮一氏は個人だが、大学でのインタビューを終えると、駅前の居酒屋に誘われたと言う。昼下がり、客は二人だけだったと言う。
 西江雅之氏の『ヒトかサルかと問われてもー歩く文化人類学者半世紀』の出版には関係しているようである。書評などのある文化面の記者ということになる。
 一行14字、32行の、筆者が飛び込んでいる文章は、まともな書評にはない面白さがある。