柏わたくし美術館

自分の目で収集した300点を展示


画家の思いが絵となって、掲げられている。語りかけてくるものがある。その語りかけてくるものは、実は300点の絵を収集した堀良慶館長ご自身ではないかと思えてくる。柏市若柴にある「柏わたくし美術館」の絵は、すべて堀さんが個人の感性で蒐集されたものだから、来館者は絵を通して堀さんご自身を「鑑賞」することになる。すでに開館3年、それを納得している美術ファンが集まっているから「わたくし」美術館は着実な文化発信地となったことになる。
 それでは行って見てください。企画される特別展も、堀さんの感性が選択したものである。それこそ「わたくし美術館」の存在価値と思える。
 堀良慶さんは、弱肉強食という市場経済のど真ん中に身をおいてきた。そこで職分を全うしてきた。その半面、絵という孤独な世界が心の拠り所になっていて、30歳の中ごろ、やっとピカソの道化師の絵のよさ、それを描いたピカソの気持ちも分かり、目が開かれたという。中学生のとき、ピカソ好きの絵の教師に自分の絵をけなされ、画家志望が頓挫した記憶が、強く残っていたのである。

ゴルフやマージャンもやめ、3回に1回は付き合いも断り、絵の収集を始める。絵と仏教という精神世界が深まる。収集した絵はかなりな数になっていた。家族の応援もあり、それを展示する美術館をオープンさせた。
 美術館を開くことなど念頭にはなかったという。しかし、300点、デッサンなどを含めると1,000点という膨大さには驚く。8室ほどに2、3段に展示され、階段やトイレまで埋め尽くされている。高名な画家はなく、堀さんの個性が選び出した作品ばかりである。


柏わたくし美術館は、柏市若柴。
柏駅西口前バス若柴循環、入谷津下車5分、北へホテルハイランドの15メートル先を右折し、40メートル先の右。
日、月、火、水の午後開館。
念のため電話予約のこと。
 0471-34-8293
 
 

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