そこにはピアノがあった。
母さんは空になって
おまえたちのために鳩をとばそう
まめつぶになって消えてゆくまで
とばしつづけよう
おまえたちというのは、被爆して死んだ子どもたちのことだ。平和の鳩をとばすという母の願い、詩「慟哭」が朗読される。被爆した母や子の手記をまとめた朗読劇「この子たちの夏」の上演を続けている「柏・麦わらぼうしの会」が、5月13日に、こじんまりとした京北ホールで、8月4日公演の前触れのようなショート公演をした。
柏市民活動フェスタ2007のひとつである。
「この子たちの夏」でも唱歌からクラシックまで音楽が入っている。しかし、アミュゼ柏の上演では音楽をすっかり忘れている。何回か聞いたが覚えていない。京北ホールでは、会のピアニストの代表がピアノを弾いていた。音楽にあまり縁のない耳にこれがきいた。
そういえばリハーサルのときから、そこにピアノあり、という思いでいた。それで、朗読のベテランの声とうまくミックスしたのである。これはBGMではなかった。記憶に間違いがなければ、「故郷」が弾かれた。それが朗読を追いかけた。
8月4日の本番には挿入されている音楽に耳を傾けてみたい。