仏様に連れ忘れられし我のあり
夕刻、パソコンに夢中になっていたら、手足がガクガク震えてきた。やっと二階から降りて、ドスンと横になった。ガクガクはとまらない。熱が出ている。熱い。女房が体を冷やすサンダンをしている。汗びっしょりらしい。
一時間もたったか、ガクガクは収まった。体温は38度を越している。傍にイスを持ってきてもらい、それにすがって起き上がろうとするが出来ない。体が拒否する。トイレに行くにはどうするか。尿意など、完全に忘却しているけれど。
秋遍路尿瓶を手放すことはない
金子兜太の句である。そうか、病人もシビンを使うんだ。でもシビンなんてあるのかなあ。女房に聞いてみようとするが、声がうわの空で、心もとない。
ここで寝込んだのかどうか。3時間もたって、なんとかイスの足を握り、女房に背中をおこしてもらって、この世に復活した。クーラーをつけず、まだ異常気温の中に居たためのようだ。翌日医者にそう言われた。
ちょうどお盆に来た仏様たちのお帰りの日、私を同行しようとしたのかもしれない。