ルノワールの奥さんに会ってきた

フィデラデルフィア展
   都美術館のフィラデルフィア美術館展は、入場者が30万人を突破したそうである。会期末近くに行ったが混んでいた。
 見たいものは一つ、ルノワールの「アリーヌ・シャリコの肖像」(ルノワール夫人)である。つまり奥さんの肖像である。ほっぺたの赤い健康そうな美人。茶色の、花飾りのついた帽子をかぶっている。ふっくらした体つきがうかがえる。そのお隣が「大きな浴女」で、入場券にある豊満なヌードである。この並べ方はルノワールを驚かすだろう。どちらがお好き、私は奥さんの方がいい。
 ロダン、ゴッホ、セザンヌを通って、セザンヌの「セザンヌ夫人」になる。こちらは理知的な様子。ルノワール夫人が歯をちょっと見せているのに、セザンヌ夫人は口元をぴっちり閉める。
 ルノワールさんは、目が会うだけでいいが、セザンヌさんには声を掛けたくなった。