即興演奏と俳句詠み

児玉さや佳さん
  児玉さや佳さんのピアノリサイタルは11月28日、アミュゼ柏クリスタルホールで開かれ、即興演奏も聞かせてくれた。12月号のピアノ音楽誌「レッスンの友」には、児玉さんのインタビューが掲載され、即興演奏に寄せる児玉さんの思いが語られている。
  ドイツやフランスでの即興演奏論が、気ままな、単なる音楽ファンにとっては読みがいがある。
 
  即興というのは、自分のイメージとか頭にある感情を表現する。詩人が詩を 書くように、音楽家は思い浮かんだことを音で表現する。自分の思ったことを表現するため、すぐパッパッと手が動くようなテクニックが必要。
  
  さらに、もう一度即興演奏を弾けといわれたら、弾けなくてはいけない。同じものと言うよりは、もっと良くして…、と答えている。これは吟行の俳句詠みに、通じるものではないか。とっさの一句に、さらに推敲を重ねて、「もっと良くして」。
  2回目のアミュゼ公演のときだったか、そのときの即興演奏について、お母さんのピアニスト児玉典子さんにうかがったことがある。そのときはベートーベンに由来するといわれたが、当方の脳裏には、まったく消えていた。いわば「新曲」である。観衆も聞き逃さないような覚悟?が必要か。一場の夢であってもいいのか。

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