きれいな石を拾おう

きれいな石

津軽の海岸の石500個がやって来た

津軽は石の産地だという。海岸を歩くときれいな石に出会う。大波小波がきれいな石を運んでくれる。海岸や河原で、きれいな石を拾って、旅の記念に持ち帰った経験のある人は多いだろう。

その津軽の海岸で石拾いを続け、家中が石だらけになっている、ふたりの蒐集家の500個を運び込み、京橋のINAXギャラリーで「石はきれい、石は不思議」という石だらけ企画展が9月ー11月に開かれた。大阪、名古屋にも巡回している。

それなら行って拾ってきようという石拾いツアーまで10月に開催され、酒匂川河口から西丹沢の源流まで辿って石を拾って来ている。富士山、箱根、丹沢から石が流れ込む酒匂川は多彩な石を見つけることができるそうで、海の石は丸く、山の石は四角が多くなる。拾った石もメールで公開された。

津軽半島北端の今別に暮らす牧野喜美雄さんは石拾い31年、上京していたが両親のために帰郷し郵便局に勤める。石に出会うのはタイミング、タイミングが合わないと、石は授からないという。

拾うのは砂の上に出ている石だけ。また波が来て、きれいな石を打ち上げる。他所から石拾いに来る人のために、掘ってまで探すのは行き過ぎです、と。

石拾い15年の石戸谷修一さんは、シジミなどを取る用具を改良して波間に見えかくれする石を、波の引く瞬間にさっと取るそうである。家は石の重さで床が抜けた。

後世に恥じないきれいな石を残して行きたい、石の文化を継承して、行きたい、と。

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